mRSとは
mRSとは、脳卒中発症後患者の生活自立度を評価したもので、grade0(無症候)からgrade6(死亡)の7段階に分類したものです。
もともとは、脳卒中患者の機能回復の程度を評価するために開発されたもので、重症度を評価するためのスケールではありません。また、その簡便性から、脳卒中診療において、身体障害の指標として広く使用されています。
以下の表にその内容を羅列しました。
Grade0 | 症状なし |
Grade1 | 症状はあるが特に問題となる障害はなし (日常の務めおよび活動は可能) |
Grade2 | 軽度の障害 (以前の活動はできないが、介助なしに身の回りのことができる) |
Grade3 | 中等度の障害 (何らかの介助を必要とするが、介助なしに歩行可能) |
Grade4 | 中等度から高度の障害 (介助なしに歩行や身体的要求を満たすことが困難) |
Grade5 | 高度の障害 (寝たきり、失禁状態、常に介護と見守りが必要) |
Grade6 | 死亡 |
このmRSですが、一般に2と3を境に区別されることが比較的多い印象です。というのも、この境といのは身の回りのことを行うために介助が必要かどうかという指標になるためです。
脳卒中の機能予後を評価している論文では、基本的にmRS:0~2とmRS:3~6で分け、mRS:0~2に該当する人を予後良好群、mRS:3~6に該当する人を予後不良群としているケースがほとんどです。
また、そういった論文では脳卒中発症前のmRSをpre mRSと定義し、発症前と発症後でどれだけ機能予後に変化があったかを評価しています。その際は、だいたい90日後のmRSを発症後の機能予後の指標にしているケースがほとんどです。
はじめは、1つ1つのグレードを正確に暗記するのは難しいと思うので、こういったことを参考にしながらポイントから覚えていくと良いですね!
mRSの問題点
上述の通り、簡便で非常に使い勝手の良いmRSですが、問題点も指摘されています。それは、評価者の主観的な部分に左右されやすく、評価者によって差異が生まれてしまうことです。
ただ、そういったことを考慮しても、mRSは臨床現場では非常に重要な指標として使用されていますので、皆さんも是非正確な評価ができるようにしていきましょう!